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最後の九龍城砦(完全版)の写真集の感想!懐かしくて愛しい感情

今日は、写真集、最後の九龍城砦の感想について語ります!

廃墟の写真ですけど、懐かしくて愛しい愛情を思い出せるいい本です。

感想

この完全版は、電子書籍であるが、元々は1996年と2003年に再版された写真集「最後の九龍城砦」を再々リニューアルして2009年に出版されたカラー版写真集の電子版です。

出版社が販売後まもなく民事再生となった為に既刊本が非常に値上がりし、多くの人々に気軽に見てもらうことが出来なくなったことを憂いた著者が電子版の出版に踏み切ったらしいです。

かつて香港の魔窟と恐れられた九龍城砦。

半ば伝説と化した九龍城砦が住民の強制退去と取り壊しののち、九龍寨城公園となったのが1995年。

この本は住民の強制退去後、調査団の一員として九龍城砦の廃墟に踏み入れた著者の撮影した写真が、住民が去った後の九龍城砦最後の姿を余すことなく写し出しています。

著者の言葉と説明文はごく簡潔に述べられているに過ぎません。

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しかし、その素っ気ない言葉の端々に終焉を迎える九龍城砦という場所に対する著者のそこはかとない愛情が感じられるし、人がすっかり去ってしまった後の廃墟に残る生活臭は、かつてその場所に人々が住み、そしてその生活を愛していた事を十分に感じさせます。

アジア映画やフィルムノワールのイメージで、かつての九龍城砦は暗黒街、スラム、そんな悪い印象の言葉で語られてしまうのですが、そこで生活していた人々にとっては自分達の愛する生活の場であったのでしょう。

香港空港を離着陸する飛行機がアンテナを掠める様な九龍城砦の屋上で、かつては子ども達が遊んでいたのでしょうか。

ピンク色のバケツが残されていた。傍らにはパイプ椅子が放置されていた。

その場所に住む人々にとっては確かに愛おしい場所だったのです。

住民が退去した後の、「かつてそこに人が居た」廃墟の写真の数々は、人によっては嫌悪感しか催さないだろう。ただ、覚えておいて欲しい。

そこにかつて人々が住んでいた事。そこには確かに彼らの生活があり、身を寄せ合って暮らしていたのです。

その日々は確かに懐かしく、愛おしいものだったのでしょう。

その感情は、誰しもが共通のものだと思う。

この本はその当たり前の感情を教えてくれるのではないだろうか。そう思ったし、最近目を通した本では胸を張って一番好きだと言えました!