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人間の絆の感想。フィリップの人の良さと人生に感動

こんにちは!今日は、イギリスの作家サマセット・モームの半自伝的長編小説「人間の絆」の感想、書評を書きます。

人間の絆の感想

足に障害のある主人公フィリップの幼少期から結婚に至るまでを描いています。

半自伝なのでハラハラワクワクするような冒険や大事件はありませんが、フィリップが関わっていく人々の生き方や日常、生活環境には考えさせられるものがたくさん含まれています。

彼は両親を亡くして孤児になった後、伯父夫婦のもとに引き取られます。

その後は国内の学校に行くのですが、卒業後はなかなか腰を落ち着けることのできる場所に出会えません。

ドイツへの遊学、イギリスでの就職、フランスへの美術留学、そして最後に医学への道を志します。

フィリップは飽きっぽく一つのことを長く続けられない青年ですが、自分の居場所を求めてさまよい続ける姿は自分を見ているようで共感します。

反面、彼はお人好しで困っている人を放っておくことができない性分でもあります。

美術学校時代の同僚で、誰からも嫌われているファニー・プライスという女子生徒がいました。

フィリップは彼女の強烈な個性にも負けずに付き合いを続けていきます。そして彼女が自ら命を断つ道を選んでしまった時も葬儀の一切を引き受けました。

また、ミルドレッドという女性に運命の恋をします。

しかしこのミルドレッドはいわゆる魔性の女の部類で、自身は彼のことを微塵も愛していないのにとにかく金銭や物品をせびります。

フィリップはそうした身勝手なところに惚れ込んでしまったわけですが、ここでも彼のお人好しっぷりがいかんなく発揮されていて読んでいて切なくなってきます。

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ミルドレッドが結婚した男性と別れた後、一時期彼女と子供の世話を引き受けてその子をすごく可愛がるんですね。

フィリップは決してかっこいい男性ではありませんが、そのような温かさや優しさが魅力的なのです。

最後にはそのような生き方が報われたのか、誠実な女性サリーと結ばれます。ここでこの小説は終わりますが読んでいるこちらもホッとしました。

サリーの両親や兄弟は善良な人々で、彼らもまたフィリップに親切に家族のように接してくれました。

作中ではどん底の生活も体験しますが最後まで誠実であったからこそ、フィリップは素敵な女性と結ばれることが出来たのだと思います。

好きな場面は彼が医学生となり、たくさんの患者さんと関わって少しずつ成長していくところです。

患者の中にはワケありな者、とにかく貧しい者など様々な人がいます。

そのような患者にもフィリップは分け隔てなく接します。

もう一つ好きな場面が美術学校時代の教師との遣り取りです。

この先生は気難しく生徒達からは好かれていませんが、そんな彼に対してもフィリップは真っ向からぶつかっていきます。

だからこそ先生もまた本音で応えてくれたのです。

先生がフィリップに残した言葉は非常に重たく心に残りますのでご自分の目で確かめることをおすすめします。